「一間高ガカリ・下ツケ 堅ツギ 低く開く」の版間の差分

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『[[一間高ガカリ・下ツケ カケツギ]]』(同レベル)<br>
『[[一間高ガカリ・下ツケ カケツギ]]』(同レベル)<br>
『[[一間高ガカリ・下ツケ 堅ツギ 高く開く]]』(同レベル)<br>
『[[小ゲイマガカリ・コスミ 三間ビラキ]]』(同レベル)<br>
『[[大ゲイマガカリ・コスミ 二間ビラキ]]』(同レベル)<br>


== テーマ図 ==
== テーマ図 ==
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 この型は堅白黒ともに堅いためか、左上隅は白・黒いずれの場合もありえます。テーマは「堅い白陣をどのように扱うか」。多くの黒は歯が立たないと考えてツメることを選び、白は堅さを生かしてここで戦いを始めるようです。<br>
 この型は堅白黒ともに堅いためか、左上隅は白・黒いずれの場合もありえます。テーマは「両隅が黒の間に割って入ってきた白の堅い定石陣形をどのように扱うか」。多くの黒は歯が立たないと考えてツメることを選び、白はここは堅くしておいて、どこかで戦いを始めるようです。<br>
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*番外 白(P,08):108回(プロに終局型ないため未掲載)
*番外 白(P,08):108回(プロに終局型ないため未掲載)


 というふうに❶からツメることが多いのがわかります。❶は非常に簡明なのが特徴。①はその後は上辺で戦いとなります。つまり白はこの定石を選択した段階で「自分から右辺をツメて上辺で戦いを起こす」という構想を5:1の比率で持っていることになります。そして多くの黒は戦いを嫌って❶とツメています。
 というふうに❶からツメることが多いのがわかります。❶は非常に簡明なのが特徴。①はその後は上辺で戦いとなります。つまり白はこの定石を選択した段階で「自分から右辺をツメて上辺で戦いを起こす」という構想を5:1の比率で持っていることになります。そして多くの黒は戦いを嫌って❶とツメています。<br>
 (G,03)、(H,03)あたりに白・黒どちらがいるかによって第一型(黒陣の場合)、第二型(白陣の場合)にわかれます。 


== 第一型 ==
== 第一型 ==
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 黒❶の後、白はほぼ半分の確率で②と受けます(それ以外の着手はバラバラ)。あまりにも当たり前でほとんどの定石書に記載はありません。<br>
 第一型は左上隅がほぼ黒陣になっている状態で❶とされた時の白の受け方。<br>
 黒❶の後、白はほぼ半分の確率で②と受けます(それ以外の着手はバラバラ)。あまりにも当たり前でほとんどの定石書に記載はありません。掲載した4棋譜は同じ定石と平凡な受けなのに30年ほどの間に全局が複雑になっていく様子がわかると思います。<br>
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次の一手:黒17
次の一手:黒19
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第10回 Kukgi 徐能旭 金秀壮 1984-12-10 B+8.5<br>
第18回LG杯世界棋王戦準々決勝 柁嘉熹 高尾紳路 2013-11-11 B+4.5<br>
http://kifdatabase.no-ip.org/igo/index.php?cmd=kif&cmds=display2&kid=132915<br>


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106行目: 109行目:
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次の一手:黒17
次の一手:白22
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碁聖戦〈加戦〉 陳禧 周可平 2008-03-09 B+3.5<br>
第21回 韓国王位戦 黄元俊 鄭寿鉉 1986-08-08 W+0.5<br>
http://kifdatabase.no-ip.org/igo/index.php?cmd=kif&cmds=display2&kid=100604<br>


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134行目: 136行目:
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第21回 韓国王位戦 黄元俊 鄭寿鉉 1986-08-08 W+0.5<br>
碁聖戦〈加戦〉 陳禧 周可平 2008-03-09 B+3.5<br>
http://kifdatabase.no-ip.org/igo/index.php?cmd=kif&cmds=display2&kid=24466<br>


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161行目: 162行目:
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次の一手:黒17
次の一手:黒37
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第10回 Kukgi 徐能旭 金秀壮 1984-12-10 B+8.5<br>
 
http://kifdatabase.no-ip.org/igo/index.php?cmd=kif&cmds=display2&kid=30880<br>
第18回LG杯世界棋王戦準々決勝 柁嘉熹 高尾紳路 2013-11-11 B+4.5<br>


== 第二型 ==
== 第二型 ==
191行目: 192行目:
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04┠┼┼╋┼┼┼┼┼❷波┼┼○○╋●┼┨  
04┠┼┼╋┼┼┼┼┼❷波┼┼○○╋●┼┨  
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 第二型は白から右辺に一間にツメられた時の黒の対処法。前提として白はすでに二間・三間・大ゲイマなどで上辺に開いていて、くつろいでいる状態です。第一型と比較すると(G、03)周辺が黒から白に置き換わっています。<br>
 黒としてはツケからサバきにいきます。白の応手は以、呂、波の3パターンあり、特に定型はありません。結局、隅の黒は①だけで死ぬことはないので、ツメられたら暴れてみるということのようです。
 黒としてはツケからサバきにいきます。白の応手は以、呂、波の3パターンあり、特に定型はありません。結局、隅の黒は①だけで死ぬことはないので、プロはツメられたら暴れてみるということのようです。<br>
 
 しかし、この進行は戦いを嫌う場合には好ましくないのでしょう。プロだったらぜひ❷として戦ってもらいたいのですが、アマの場合は下図の仁・保・部が候補となります。KGS高段者のファーストチョイスは部です。<br>
 しかし、この進行は戦いを嫌う場合には好ましくないのでしょう。黒だったらぜひ❷として戦ってもらいたいのですが、そうでない場合は下図の仁・保・部が候補となります。KGS高段者のファーストチョイスは部です。


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07┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼部保仁┨  
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仁 :「基礎からのヨセと計算」  P. 98 3図
仁  :「基礎からのヨセと計算」(マイナビ、石田芳夫)  P. 98 3図<br>
保部:「韓国棋院ドリル 上級編4」P.167 問題96
保・部:「韓国棋院ドリル 上級編4」(棋苑図書、韓国棋院)P.167 問題96<br>


 仁ならば逆先手10目(白が一手で利かしとして他所に行くことはない前提)、すなわち20目程度の手ですから、黒(J,04)ツケ(❷)はそれ以上の価値があるというのがプロの判断です。
 仁ならば逆先手10目(白が一手で利かしとして他所に行くことはない前提)、すなわち20目程度の手ですから、黒(J,04)ツケ(❷)はそれ以上の価値があるというのがプロの判断です。<br>
 つまり相手陣内で暴れてなんらかのサバキ型を得られれば20目以上のアラシになるということのようです。指導碁などで仁と打ったら「元気がない」と言われそうですから、やはりこれからは❷と打ってみましょう。
 展開としては白定石形からさらに二間に開き、すっかりくつろいでいるところへのサバキとしての❷です。反対の辺にある黒と響きあうように❷とツケた上で、その後盤上のどこかで戦いを始めます。"部"のようにちまちまヨセるように打って20目がどうしたこうしたといった話は吹き飛ばしてしまおうということのようです。2010年代の戦いを基調とした碁の中では、アマチュアであっても指導碁などで"仁"と打ったら「元気がない」と言われそうですから、やはり今風に❷と打ってみましょう。<br>
 戦いに行くのですから、定石書には説明はありません。
 戦いに行くのですから、定石書には説明はありません。棋譜も年代的に第一型を引き継いでいますので、第一型で飽き足らなくなったプロ棋士達のねらい目ということのようですね。全て黒番で発生しています。井山裕太・趙善津はいずれも攻撃的・積極的な棋風ですから、❷は黒番で中盤の主導権を握る手法なのかもしれません。どの棋譜も複雑な駆け引きの後、❷となり、その後しばらくしてから開戦となるようです。<br>




===白:以===
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次の一手:黒17
次の一手:黒55
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第13回LG杯預選戦第五局 姜東潤 井山裕太 2008-04-25 B+2.5<br>
第13回LG杯預選戦第五局 姜東潤 井山裕太 2008-04-25 B+2.5<br>
http://kifdatabase.no-ip.org/igo/index.php?cmd=kif&cmds=display2&kid=101110<br>


===白:呂===
<div style="font-size: 10px; width: 22.5em; ">
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__ABCDEFGHIJKLMNOPQRS
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次の一手:黒17
次の一手:黒25
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第67期日本本因坊戦預選 趙善津 河野臨 2011-06-16 W+4.5<br>
第67期日本本因坊戦預選 趙善津 河野臨 2011-06-16 W+4.5<br>
http://kifdatabase.no-ip.org/igo/index.php?cmd=kif&cmds=display2&kid=118603<br>


<div style="font-size: 10px; width: 22.5em; ">
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291行目: 289行目:
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次の一手:黒17
次の一手:黒45
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第14回中国阿含桐山杯决戦 古力 周睿洋 2012-10-17 B+1.5<br>
第14回中国阿含桐山杯决戦 古力 周睿洋 2012-10-17 B+1.5<br>
http://kifdatabase.no-ip.org/igo/index.php?cmd=kif&cmds=display2&kid=126205<br>


===白:波===
<div style="font-size: 10px; width: 22.5em; ">
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次の一手:黒17
次の一手:黒45
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KB国民銀行杯2013韓国囲甲聯戦 金昇宰 金顕燦 2013-10-03 W+2.5<br>
KB国民銀行杯2013韓国囲甲聯戦 金昇宰 金顕燦 2013-10-03 W+2.5<br>
http://kifdatabase.no-ip.org/igo/index.php?cmd=kif&cmds=display2&kid=132391<br>


==関連項目==
==関連項目==
353行目: 349行目:
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『[[一間高ガカリ・下ツケ カケツギ]]』(同レベル)<br>
『[[一間高ガカリ・下ツケ カケツギ]]』(同レベル)<br>
『[[一間高ガカリ・下ツケ 堅ツギ 高く開く]]』(同レベル)<br>
『[[小ゲイマガカリ・コスミ 三間ビラキ]]』(同レベル)<br>
『[[大ゲイマガカリ・コスミ 二間ビラキ]]』(同レベル)<br>

2017年7月2日 (日) 15:58時点における最新版

関連項目

囲碁・オセロ板』(トップ)

おすすめの棋譜並べとやり方(囲碁)』(二つ上)

並べて学ぶ小目定石の周辺』(一つ上)

一間高ガカリ・下ツケ カケツギ』(同レベル)
一間高ガカリ・下ツケ 堅ツギ 高く開く』(同レベル)
小ゲイマガカリ・コスミ 三間ビラキ』(同レベル)
大ゲイマガカリ・コスミ 二間ビラキ』(同レベル)

テーマ図

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 この型は堅白黒ともに堅いためか、左上隅は白・黒いずれの場合もありえます。テーマは「両隅が黒の間に割って入ってきた白の堅い定石陣形をどのように扱うか」。多くの黒は歯が立たないと考えてツメることを選び、白はここは堅くしておいて、どこかで戦いを始めるようです。

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03┠┼┼●┼┼┼❶┼○┼┼┼○●●┼┼┨
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黒の着手は2つ。 KGS 6D,7Dの対局で出現頻度順に並べると

  • ❶ :986回
  • ① :218回
  • 番外 白(P,08):108回(プロに終局型ないため未掲載)

 というふうに❶からツメることが多いのがわかります。❶は非常に簡明なのが特徴。①はその後は上辺で戦いとなります。つまり白はこの定石を選択した段階で「自分から右辺をツメて上辺で戦いを起こす」という構想を5:1の比率で持っていることになります。そして多くの黒は戦いを嫌って❶とツメています。
 (G,03)、(H,03)あたりに白・黒どちらがいるかによって第一型(黒陣の場合)、第二型(白陣の場合)にわかれます。 

第一型

__ABCDEFGHIJKLMNOPQRS
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03┠┼┼●┼┼┼❶┼○┼┼┼○●●┼┼┨
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 第一型は左上隅がほぼ黒陣になっている状態で❶とされた時の白の受け方。
 黒❶の後、白はほぼ半分の確率で②と受けます(それ以外の着手はバラバラ)。あまりにも当たり前でほとんどの定石書に記載はありません。掲載した4棋譜は同じ定石と平凡な受けなのに30年ほどの間に全局が複雑になっていく様子がわかると思います。

No. 書名 章など 図番 ページ数 説明分量
1 はじめての基本定石 第2章・1 6図 P.142 1頁1図


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次の一手:黒19

第10回 Kukgi 徐能旭 金秀壮 1984-12-10 B+8.5

__ABCDEFGHIJKLMNOPQRS
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次の一手:白22

第21回 韓国王位戦 黄元俊 鄭寿鉉 1986-08-08 W+0.5

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次の一手:黒17

碁聖戦〈加戦〉 陳禧 周可平 2008-03-09 B+3.5

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次の一手:黒37

第18回LG杯世界棋王戦準々決勝 柁嘉熹 高尾紳路 2013-11-11 B+4.5

第二型

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08┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼①┼┨ 
09┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨ 
10┠┼┼╋┼┼┼┼┼╋┼┼┼┼┼╋┼┼┨ 

 第二型は白から右辺に一間にツメられた時の黒の対処法。前提として白はすでに二間・三間・大ゲイマなどで上辺に開いていて、くつろいでいる状態です。第一型と比較すると(G、03)周辺が黒から白に置き換わっています。
 黒としてはツケからサバきにいきます。白の応手は以、呂、波の3パターンあり、特に定型はありません。結局、隅の黒は①だけで死ぬことはないので、プロはツメられたら暴れてみるということのようです。
 しかし、この進行は戦いを嫌う場合には好ましくないのでしょう。プロだったらぜひ❷として戦ってもらいたいのですが、アマの場合は下図の仁・保・部が候補となります。KGS高段者のファーストチョイスは部です。

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01┏┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┓ 
02┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨ 
03┠┼┼●┼┼○┼┼○┼┼┼○●●┼┼┨ 
04┠┼┼╋┼┼┼┼┼❷┼┼┼○○╋●┼┨ 
05┠┼●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨ 
06┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼●┼┨ 
07┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼部保仁┨ 
08┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼①┼┨ 
09┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨ 
10┠┼┼╋┼┼┼┼┼╋┼┼┼┼┼╋┼┼┨ 

仁  :「基礎からのヨセと計算」(マイナビ、石田芳夫)  P. 98 3図
保・部:「韓国棋院ドリル 上級編4」(棋苑図書、韓国棋院)P.167 問題96

 仁ならば逆先手10目(白が一手で利かしとして他所に行くことはない前提)、すなわち20目程度の手ですから、黒(J,04)ツケ(❷)はそれ以上の価値があるというのがプロの判断です。
 展開としては白定石形からさらに二間に開き、すっかりくつろいでいるところへのサバキとしての❷です。反対の辺にある黒と響きあうように❷とツケた上で、その後盤上のどこかで戦いを始めます。"部"のようにちまちまヨセるように打って20目がどうしたこうしたといった話は吹き飛ばしてしまおうということのようです。2010年代の戦いを基調とした碁の中では、アマチュアであっても指導碁などで"仁"と打ったら「元気がない」と言われそうですから、やはり今風に❷と打ってみましょう。
 戦いに行くのですから、定石書には説明はありません。棋譜も年代的に第一型を引き継いでいますので、第一型で飽き足らなくなったプロ棋士達のねらい目ということのようですね。全て黒番で発生しています。井山裕太・趙善津はいずれも攻撃的・積極的な棋風ですから、❷は黒番で中盤の主導権を握る手法なのかもしれません。どの棋譜も複雑な駆け引きの後、❷となり、その後しばらくしてから開戦となるようです。


白:以

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01┏┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┓
02┠┼┼●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼●┼┼┨
03┠┼●┼┼●┼●●┼○┼┼┼○●┼┼┨
04┠┼┼○┼●○┼○○┼┼┼┼○╋●┼┨
05┠┼┼┼┼●┼┼┼┼┼┼┼┼┼●┼┼┨
06┠┼○┼┼┼┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
07┠┼┼┼○┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼○┼┨
08┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
09┠┼●┼●┼●┼┼┼┼┼┼┼┼┼○┼┨
10┠┼┼╋┼┼┼┼┼╋┼┼┼┼┼●○┼┨
11┠┼┼┼┼○●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
12┠┼┼┼●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
13┠┼○┼┼●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
14┠┼○┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼○○┼┨
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16┠┼●○┼┼┼┼┼╋┼┼┼┼┼╋●┼┨
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18┠┼●●○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
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次の一手:黒55

第13回LG杯預選戦第五局 姜東潤 井山裕太 2008-04-25 B+2.5

白:呂

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01┏┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┓
02┠┼┼●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
03┠┼○┼┼●┼┼●┼┼┼┼●┼┼┼┼┨
04┠┼┼○┼┼┼┼┼╋┼┼┼┼┼╋●┼┨
05┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
06┠┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
07┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼○┼┨
08┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
09┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
10┠┼●╋┼┼┼┼┼╋┼┼┼┼┼●○┼┨
11┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼○┼┨
12┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
13┠┼●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
14┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼○○┼┨
15┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼○●┼┨
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次の一手:黒25

第67期日本本因坊戦預選 趙善津 河野臨 2011-06-16 W+4.5

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02┠●○┼●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
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04┠┼●╋┼┼┼┼┼╋┼┼┼┼●╋●┼┨
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07┠┼○┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼○┼┼┨
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10┠┼○○○●┼┼┼╋┼┼┼┼┼●○┼┨
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次の一手:黒45

第14回中国阿含桐山杯决戦 古力 周睿洋 2012-10-17 B+1.5

白:波

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01┏┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┯┓
02┠┼┼●┼┼┼┼○┼○○●┼┼┼┼┼┨
03┠┼○┼┼●┼○┼○●●●┼┼●○┼┨
04┠┼┼○┼┼●●┼╋┼○┼┼●╋●┼┨
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06┠┼○┼┼┼┼●┼┼┼┼┼┼┼┼○┼┨
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09┠┼●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼○┼┼┨
10┠┼┼╋┼┼┼┼┼╋┼┼┼┼┼●○┼┨
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12┠┼●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
13┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨
14┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼○○┼┨
15┠●○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼○●┼┨
16┠○┼○┼┼┼┼┼╋┼┼┼┼┼╋●┼┨
17┠┼┼┼┼○┼┼┼┼┼○┼●┼●┼┼┨
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19┗┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┛
次の一手:黒45

KB国民銀行杯2013韓国囲甲聯戦 金昇宰 金顕燦 2013-10-03 W+2.5

関連項目

囲碁・オセロ板』(トップ)

おすすめの棋譜並べとやり方(囲碁)』(二つ上)

並べて学ぶ小目定石の周辺』(一つ上)

一間高ガカリ・下ツケ カケツギ』(同レベル)
一間高ガカリ・下ツケ 堅ツギ 高く開く』(同レベル)
小ゲイマガカリ・コスミ 三間ビラキ』(同レベル)
大ゲイマガカリ・コスミ 二間ビラキ』(同レベル)