「はじめて棋譜並べに取り組まれる方へ」の版間の差分

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『[[置碁必勝法検討スレ/並べて学ぶ定石とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/並べて学ぶ定石とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/並べて学ぶ布石とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/並べて学ぶ三々打込とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/並べて学ぶ三々打込とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/並べて学ぶ布石とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/もっと並べて学ぶ定石とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/もっと並べて学ぶ定石とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[並べて学ぶ小目定石の周辺]]』(同レベル)<br>
『[[収録した棋士・棋譜について]]』(同レベル)<br>
『[[収録した棋士・棋譜について]]』(同レベル)<br>
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『[[置き碁・指導碁について]]』(一つ下)<br>


==はじめに==
==はじめに==
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(1譜の手数を減らせば並べやすくなりますが、そのぶん紙が増えます。)<br>
(1譜の手数を減らせば並べやすくなりますが、そのぶん紙が増えます。)<br>


棋譜は「棋譜でーたべーす」で[sgf表示]を選びメモ帳などにコピペして、<br>
棋譜はsgfファイルをまとめて掲示しているページから「メモ帳」(notepad.exe)などでコピペして<br>
".sgf"ファイルとして保存してください。<br>
".sgf"ファイルとして保存してください。<br>


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     (1譜60手くらいになります。初段格の方のお話に通じる分量です。)<br>
     (1譜60手くらいになります。初段格の方のお話に通じる分量です。)<br>


 棋譜並べをしないと昇級昇段できないというものではないようです。実際、三段格の方で対局とTV観戦しかしないという方もいました。棋譜並べとは魔法の何かではなく、よく知られた練習メニューのうちの一つということのようです。
 棋譜並べをしないと昇級昇段できないというものではないようです。実際、三段格の方で対局とTV観戦(CATV「囲碁将棋チャンネル」)しかしないという方もいました。棋譜並べとは魔法の何かではなく、よく知られた練習メニューのうちの一つということのようです。<br>
 一方で棋譜並べをしている人は少なくとも「囲碁未来」の棋力認定問題Bコース(6~9級)くらいの詰碁には取り組んでいるようです。書籍でいうと「基礎力のつく死活」や「第一巻の死活」くらいでしょうか。不思議なもので「ひと目の詰碁」を読んでいる人で棋譜並べをする人はいないようです。<br>
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 ここまでの棋譜ならば「囲碁に強くなる本」菊池康郎(金園社)(星・小目・三々一通りの定石掲載あり)と<「石田芳夫のやさしく考える布石」(NHK)(こちらはおおよそ全布石掲載あり)の2冊で、定石・布石についてそうとうな解説が得られます。<br>
 ここまでの棋譜ならば「囲碁に強くなる本」菊池康郎(金園社)(星・小目・三々一通りの定石掲載あり)と<「石田芳夫のやさしく考える布石」(NHK)(こちらはおおよそ全布石掲載あり)の2冊で、定石・布石についてそうとうな解説が得られます。<br>
 どちらもやさしく書いてあって、購入しやすい価格です。<br>
 どちらもやさしく書いてあって、購入しやすい価格です。金園社もNHK出版もアマゾンからの販売よりも自社サイトからの販売を重視しているようです。入荷・在庫状況や送料などを比較するとよくわかります。<br>
 内容が薄い、知りたいことが書いてない、と感じるようになってから他の本の購入を検討すればよいでしょう。<br>
 内容が薄い、知りたいことが書いてない、と感じるようになってから他の本の購入を検討すればよいでしょう。<br>
 並べる→読む→並べるのサイクルを繰り返すと、並べるだけ・読むだけよりも理解が深まります。<br>
 並べる→読む→並べるのサイクルを繰り返すと、並べるだけ・読むだけよりも理解が深まります。<br>
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 これに加えて「並べて学ぶ定石とヨセ・第二集(10局)、第三集(15局)」まで並べれば、もう相当な定石・布石通です。ここまでで62局ですから毎週1局並べても1年がかりになりますね。<br>
 これに加えて「並べて学ぶ定石とヨセ・第二集(10局)、第三集(15局)」まで並べれば、もう相当な定石・布石通です。ここまでで62局ですから毎週1局並べても1年がかりになりますね。<br>
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 [脱線して、置き碁について]<br>
 置碁については「この世から置き碁をなくそう 上」(絶版)、「天下四目 上」といった星にコゲイマ受けの解説が詳しい棋書で研究するのがいいと思います。<br>
 KGSの置碁棋譜を見る限り一間受けとコゲイマ受けだと、黒番勝率に明確な差異があり、一間受けは下手不利だからです。一間受けを選ぶと置碁定石や三々打込み対策など前提知識が急激に増えるからだと思います。一間ばさみも両掛り対策や頻度が少ないだけに身に付きにくい一間トビやツケ引きなどがあり、いろいろ勉強することになります。ツケノビ定石は級位者にはいいところが一つもない最悪の定石だと思います。基本定石事典(下)を読めばわかりますが、ツケノビは変化が多すぎます。昔の棋書は必ずツケノビ定石を解説しており、それは両掛りなど考えた時にツケノビの応用範囲が広いからという配慮からだと思うのですが、級位者には吸収・咀嚼するのが大変だと思います。下手は石を置かせてもらっているのだから、せめて自分の着手は簡明を旨とし、少ない変化に十分習熟するのが上達の近道と思います(このへん、古い定石書をお奨めしない理由でもあります。)。<br>
 コゲイマ受けで隅を地にすることができれば最小効率で置石一子分(=13目)分の地が確定するので、ハンデをそのまま現金化できたことになります。封鎖されずに中央に出ることができればそれはそのまま利得となります。<br>
 仮に四隅をすべてコゲイマ受けから地にすれば52目となり、これを白番が勢力で追いついていくのは至難の業です(棋力が互角で、寄せきって終局した場合にはだいたい60目前後の比べ合いになっていることに注意。)。逆に白に三々入りされて隅を地にされ、外勢を消されたらハンデはなくなってしまいます。<br>
 コゲイマ受けはもともと変化が少なく、そのうちアマの実戦に出てくるものはさらに絞り込まれます。プロだって最初の一隅はコゲイマ受けという棋譜が山ほどあります。コゲイマ受けを誹られて恥じるところは一つもありません。
 置碁の一つに指導碁があります。プロ棋士に伺ったところでは、指導碁では同時対局数が増えてもプロ側の打ち方が変わる(内容に差が出る)ことはないのだそうです。おそらく置石の数(=段位)によって打ち方がパターン化されている(=指導・確認のポイントが決まっている)のだと思います。その棋士のメソッドに沿って成長していくということでしょうか。<br>
 また、プロとの対局を「楽しむ」にはできれば初段以上の棋力があるのが望ましいとのことでした。級位の場合は勉強の側面が強くなってしまうそうです。でも級位者も大歓迎と言われていました。「楽しむ」が何を指すのかはよくわかりませんが、「私が初段と認めたら、星目で気持ちよく勝たせてあげるよ、そのためにはこのパターンは解けるようになってね。」ということかもしれません。<br> 指導碁で勝っている人はなかなかお見掛けしません。初めは出会いガシラで勝たせてもらえても、何回か対局しているうちにこちらの傾向に対応して、だんだんと弱いところがアブリだされてくる感じがあります。それを克服できたら一子強くなるのでしょう。指導碁で棋力を判断するなら、同じ棋士に継続して対局していただき、三番手直り(間隔が空く場合)とか、直近10戦で6勝4敗(間隔が短い場合)とか、ある程度回数を踏まえて捉えるのがよいと思います。九~六子局はモチベーションアップを考えていただけるらしく、そこそこ内容が伴うようになると時期を見て勝たせてもらえるようです。実際に多子局の勝局を拝見するとプロ側がいろいろ段取りした上で快勝させてもらっているのがわかります。<br>
 でもプロは(たとえ指導碁であっても)同じ相手には連敗しないように考えて打ってきます。三番手直りも10戦6勝も簡単なことではありません。ネット碁の昇級が難しいのに通じるところかもしれません。<br>
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 棋譜並べに戻りましょう。プロの棋譜にコゲイマ受け連発置碁はないので、置碁対策を目的とした棋譜並べはありえません。互先の棋譜から折り合いをつけて並べるということになります。<br>
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==棋譜並べの小技==
==棋譜並べの小技==
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 総譜派・細解派、一局を百回・百局を一回などなど、どのやり方が自分に合うのか見つけてください。<br>
 総譜派・細解派、一局を百回・百局を一回などなど、どのやり方が自分に合うのか見つけてください。<br>
 自分が楽しめる並べ方がわかると長続きして、結果として身につきやすくなります。<br>
 自分が楽しめる並べ方がわかると長続きして、結果として身につきやすくなります。<br>
※もちろん王道は徐々に譜割を減らして総譜で並べられるようになることです。<br>
 前出のように総譜を1時間で並べると五段格の方と同じ棋譜並べ能力ということになります。<br>
※「対局する→疑問に思った形・定石を書籍で確認→書籍を基に棋譜を検索して並べる→対局して試す」<br>
 といったサイクルを自分で作れるようになれば効率的に理解が進むと思います。<br>
※目安としては譜割の手数÷4が読みの手数の最大値とも言われます。<br>
 すなわち50手割で並べられるなら、簡単な手筋で12手読みまではできるはず。<br>
※慣れてきたらNHK杯を見ながら並べるというやり方もあります。1時間半寝ないで集中できるようになります。<br>
※千局並べれば初段、という言葉もあります。毎日一局(一回)並べれば3年ということになるので、<br>
※千局並べれば初段、という言葉もあります。毎日一局(一回)並べれば3年ということになるので、<br>
 対局・詰碁と並行して取り組めばそんなものかとも思います。千回負ければ初段、と同じ理屈です。<br>
 対局・詰碁と並行して取り組めばそんなものかとも思います。千回負ければ初段、と同じ理屈です。<br>
※50手割を100手割に増やしたり、30分を15分に縮めたりするのはとても難しいことです。<br>
※先日インストラクター氏から聞いたところでは「棋譜が取れるようになったら初段」とのことでした。<br>
 並べるだけではなく記録を取るのも技量の向上に効果があるようです。<br>
※一方で50手割を100手割に増やしたり、30分を15分に縮めたりするのはとても難しいことです。<br>
 あまり無理せず楽しむことに重きを置いてください。<br>
 あまり無理せず楽しむことに重きを置いてください。<br>
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==自分で棋譜を集める==
==自分で棋譜を集める==
 「並べて学ぶ」棋譜集では「棋譜でーたべーす」へのリンクを貼っています。<br>
 「並べて学ぶ」棋譜集では「棋譜でーたべーす」へのリンクを貼っていました。2016年7月に「棋譜でーたべーす」のサイトが閉鎖となったことに伴い、以降は"Badukmovies pro game collection"へのリンクに貼りなおしました。しかしながら、2017年2月には"Badukmovies"も実質閉鎖になり、形から検索できる棋譜サイトは見当たらない状況です。「並べて学ぶ」棋譜集は直接sgfファイルを貼り付けることで棋譜を提供するようにしました。<br>
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[棋譜でーたべーす]<br>
http://wiki.optus.nu/igo<br>
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[代替ホスト] <br>
http://kifudatabase.ddo.jp/igo/<br>
http://kifdatabase.no-ip.org/igo/<br>
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 「棋譜でーたべーす」はいまや囲碁・将棋の棋譜を収集・展開するのに欠かせないWebサービスだと思います。<br>
 しかしながら、囲碁の場合は、他にも棋譜収集サイトがありますので、<br>
 自分で棋譜を集めるのなら、必要に応じてサイトを使い分けるのがよいと思います。<br>


===一括ダウンロード===
===一括ダウンロード===
 一括ダウンロードに向いているサービスとして"Badukmovies pro game collection"を紹介します。<br>
 一括ダウンロードに向いたフリーの棋譜サイトについて、情報ありましたら教えてください。海外ではダウンロード販売するサイトなどもあるようです。<br>
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 例えばこちら<br><br>
[Badukmovies pro game collection]<br>
[GoGoD] $15で9万局(2017年4月現在)<br>
http://badukmovies.com/pro_games<br>
http://gogodonline.co.uk/
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 右側フレームの"Download collection"ボタンで5万局を圧縮形式でダウンロードできます。<br>
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 「並べて学ぶ」棋譜集に出てくる棋譜はすべてこの棋譜集に含まれていることを確認済です。<br>
 5万局とは、アマチュアでしたら十分すぎる対局数です。<br>


===最新の棋譜===
===最新の棋譜===
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 国内・海外の予選もよく収録されており、これもアマチュアでしたら十分すぎる情報量だと思います。<br>
 国内・海外の予選もよく収録されており、これもアマチュアでしたら十分すぎる情報量だと思います。<br>
 (ちゅうか、これだけ鮮度とカバレッジにこだわっている人はプロだけじゃないすか?<br>
 (ちゅうか、これだけ鮮度とカバレッジにこだわっている人はプロだけじゃないすか?<br>
  irvineで毎日一括ダウンロードしてkombiloで一人黙々と研究するのをいとわない人向け。)<br>
  irvineで毎日一括ダウンロードしてkombiloで一人黙々と研究するのをいとわない人向け。<br>
  [irvineを使うときはサーバに負荷を掛けないように。<br>
   1局ダウンロードしたら1分インターバルを置くとか配慮するものですよ!]<br>
  普通のプロ棋士は一局づつ目で読んで、明日の対局相手の傾向と対策を自宅や出先で検討しているのでしょうか。)<br>
 いっときますけどDBとしての検索機能は期待してはいけません。<br>
 いっときますけどDBとしての検索機能は期待してはいけません。<br>
 もう一つ、紹介しておきます。<br>
[碁DB]<br>
https://godb.shogidb2.com/ja<br>


===アマチュアの棋譜===
===アマチュアの棋譜===
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『[[置碁必勝法検討スレ/並べて学ぶ定石とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/並べて学ぶ定石とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/並べて学ぶ布石とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/並べて学ぶ三々打込とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/並べて学ぶ三々打込とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/並べて学ぶ布石とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/もっと並べて学ぶ定石とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[置碁必勝法検討スレ/もっと並べて学ぶ定石とヨセ]]』(同レベル)<br>
『[[並べて学ぶ小目定石の周辺]]』(同レベル)<br>
『[[収録した棋士・棋譜について]]』(同レベル)<br>
『[[収録した棋士・棋譜について]]』(同レベル)<br>
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『[[置き碁・指導碁について]]』(一つ下)<br>
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