「収録した棋士・棋譜について」の版間の差分

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=棋士とシステム布石の関係=
=棋士とシステム布石の関係=
 棋士ごとに序盤にどんな特徴があるのか、という素朴な疑問は誰しも持ったことがあるのではないかと思います。ここでは「並べて学ぶ布石とヨセ」で取り上げた布石を8類型に分け、各々について各棋士が黒番の時に何局打っているのかを調べました。布石と棋士の関係がわかると学習方針も立てやすくなると思います。なお、基データは[Baduk Pro Game Score]の2015/9のデータを用いています。Kombiloで検索するときは布石で絞り込んだ後、"Game Info"タグの"Black"欄に[名前検索キー]のアルファベット(大文字・小文字を区別)を入れて右下の検索ボタンで検索してください。<br>
 棋士ごとに序盤にどんな特徴があるのか、という疑問は誰しも持ったことがあるのではないかと思います。ここでは「並べて学ぶ布石とヨセ」で取り上げた布石8型について各棋士が黒番の時に何局打っているのかを調べました。布石と棋士の関係がわかると棋譜並べの方針も立てやすくなると思います。なお、基データは[Baduk Pro Game Score]の2015/9のデータを用いています。Kombiloで検索するときは布石で絞り込んだ後、"Game Info"タグの"Black"欄に[名前検索キー]のアルファベット(大文字・小文字を区別、半角小文字に注意)を入れて右下の検索ボタンで検索してください。<br>


{| class="wikitable"
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!  !! 名前検索キー !! 黒番収録数 !! 二連星 !! タスキ星 !! 星とケイマジマリ !! ミニ中国流 !! 中国流 !! 小林流 !! 三連星 !! 小目平行 !! 頻出布石合計 !! 頻出布石率 !! 棋士タイプ
!  !! 名前検索キー !! 黒番収録数 !! 二連星 !! タスキ星 !! 星とケイマジマリ !! ミニ中国流 !! 中国流 !! 小林流 !! 三連星 !! 小目平行 !! システム布石合計 !! システム布石出現率 !! 棋士タイプ
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! Top棋士合計 !!  || 7,230 || 274 || 30 || 591 || 182 || 414 || 174 || 440 || 375 || 2,480 || {{Tempcolor|green|34.3%}} ||  
! Top棋士合計 !!  || 7,230 || 274 || 30 || 591 || 182 || 414 || 174 || 440 || 375 || 2,480 || {{Tempcolor|green|34.3%}} ||  
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! 全体局数 !!  || 51,908 || 1,108 || 198 || 4,247 || 960 || 2,737 || 681 || 1,316 || 1,995 || 13,242 || 25.5% ||  
! 全対局数 !!  || 51,908 || 1,108 || 198 || 4,247 || 960 || 2,737 || 681 || 1,316 || 1,995 || 13,242 || 25.5% ||  
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! Top棋士出現率 !! || 13.9% || 24.7% || 15.2% || 13.9% || 19.0% || 15.1% || 25.6% || 33.4% || 18.8% || {{Tempcolor|green|18.7%}} || ||
! Top棋士出現率 !! || 13.9% || {{Tempcolor|blue|24.7%}} || 15.2% || 13.9% || {{Tempcolor|blue|19.0%}} || 15.1% || {{Tempcolor|blue|25.6%}} || {{Tempcolor|blue|33.4%}} || {{Tempcolor|blue|18.8%}} || {{Tempcolor|green|18.7%}} || ||
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! Top棋士学習効果 !!  || ||  あり || 懸念 || 懸念 || あり || 懸念 || あり || あり || あり ||  ||  ||
! Top棋士学習効率 !!  || ||  あり || 懸念 || 懸念 || あり || 懸念 || あり || あり || あり ||  ||  ||
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*トップ棋士における平均システム布石出現率は34.3%。これを上回る棋士はシステム布石型、下回る棋士は定石型とタイプ分け<br>
[表注釈]
*システム布石全体の中でトップ棋士が占める割合は平均18.7%。これを上回る布石はトップ棋士の対局から学習効果ありとした。下回るシステム布石はトップ棋士以外の対局例も多いので網羅性に懸念有りとした<br>
*トップ棋士におけるシステム布石出現率の平均値は{{Tempcolor|green|34.3%}}。これを上回る棋士は「棋士タイプ」を「システム布石型」、下回る棋士は「定石型」とタイプ分けした<br>
*システム布石8型についてトップ棋士における出現率(Top棋士出現率)の平均値は{{Tempcolor|green|18.7%}}。これを上回る布石はトップ棋士がよく打つ布石ということになるので、「Top棋士学習効率」を「あり」とした。下回るシステム布石はトップ棋士以外の棋士がよく打つ布石となるので学習効率(網羅性など)の観点から「懸念」とした<br>
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*タスキ星は専門布石書は「基本布石事典 下」だけ。かつトップ棋士対局事例も少ないので学習が進めにくい<br>
[システム布石]
*小目平行、二連星の専門布石書も「基本布石事典 下」だけ。<br>
*タスキ星を解説している布石書は「基本布石事典 下」だけ。かつトップ棋士対局事例も少ない。<br>
*中国流、星とケイマジマリはトップ棋士の対局例は多いものの、トップ棋士以外の対局も非常に多く、棋譜をトップ棋士限定にすると網羅性に懸念が出てくる<br>
*小目平行、二連星を解説している布石書も「基本布石事典 下」だけだが、トップ棋士の対局例は多い。<br>
*三連星は武宮正樹、小林流は小林光一の棋譜が多く、棋士を限定することで効率よく学習を進めることが可能<br>
*中国流、星とケイマジマリはトップ棋士の対局例は多いものの、トップ棋士以外の対局も非常に多く、棋譜をトップ棋士限定にすると網羅性に懸念が出てくる。解説書はいくつか出版されている。<br>
*ミニ中国流はトップ棋士の出現率は平均以上。棋書もあり、学習を進めやすい<br>
*三連星は武宮正樹、小林流は小林光一の棋譜が多く、棋士を限定することで効率よく学習を進めることが可能。解説書も複数出版されている。<br>
*ミニ中国流はトップ棋士の出現率は平均以上。解説書も出版されている。<br>
*布石書については「基本布石事典」があればまずは十分ではないかと思いますが、それ以外にもいろいろ出版されていますので、ご自分に合ったものをお探しください。
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[棋士]
*曹薫鉉は定石型の棋士であるがシステム布石では二連星とミニ中国流を用いている<br>
*曹薫鉉は定石型の棋士であるがシステム布石では二連星とミニ中国流を用いている<br>
*小林光一は星とケイマジマリ・小林流・小目平行を使い分けている<br>
*小林光一は星とケイマジマリ・小林流・小目平行を使い分けている<br>
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*聶衛平は定石型の棋士だが、システム布石では中国流を用いている<br>
*聶衛平は定石型の棋士だが、システム布石では中国流を用いている<br>
*趙治勲は定石型の棋士だが、システム布石では中国流と小目平行を用いている<br>
*趙治勲は定石型の棋士だが、システム布石では中国流と小目平行を用いている<br>
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=参考文献=
=参考文献=
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