最萌トーナメント
最萌トーナメント(さいもえ-)とはインターネット上で行われた一連のトーナメント方式の人気投票イベントの総称である。最萌と略されることもあるが、必ずしも「最萌」の名前が使われているとは限らない。匿名掲示板2ちゃんねるを中心に2001年から開催されている。
ルール
以下は典型的なものであり、細部はトーナメント毎に異なる。
- 基本的に1対1で人気投票を行い、得票数の多い方が勝ち進むトーナメント。
- 1試合につき1人1票。定められたスレッドに、(状況によるが)候補の名前を<<と>>で括ったものを含む文章を投稿することで投票となる。レスにはホスト名から算出されるIDが付き、これによって投票者を区別する。投票者の資格に制限はない(普通選挙)。ただしLeaf,key掲示板のように板閲覧そのものに年齢制限が付くことはあるので、実質年齢制限のある場合も存在する(しかしPINKちゃんねるには年齢を確認、認証する手段はなく強制力を持つ年齢制限は無いともいえる)。
- 試合時間(投票受付時間)はトーナメントによって違う事もあるが概ね23時間1分で、一日のうち0:00:00(アニメ最萌など変動する場合もある)~23:00:59の間に投じられた票が有効となる。IDは日付で変化するので、同じ日付の間に1試合を済ませる必要がある。
- 試合時間中の「選挙活動(支援)」が認められている。投票文の中に候補名以外の何を書いてもいいし、投票でないレスも認められる。支援者は色々なテキストやアスキーアート、画像や動画などのURLを書き込み候補者を応援できることが大きな特徴である(最近では誤解されているが、最萌トーナメントでは投票もSSやAA等と同じく応援ネタの一つである)。
- トーナメント全体への支援もある。詳しくは全体支援を参照
- 対戦相手他への中傷などは禁止。
- 選挙活動は初期は投票スレで行うものとされたが、その後は専用の支援スレとの併用が増えている。また候補者の選対スレが立った場合、そこが選挙活動の拠点となる。
- 同票数で引き分けた場合はともに勝利とし、次回戦は他方から勝ち上がってきた者と合わせ3名で対戦する。ただし0票対0票で引き分けた場合は両者負けとする。決勝で引き分けた場合は「その時考える」とされている(「第1回週刊少年ジャンプ女性キャラ最萌」では両者優勝とした)。
- トーナメントによってはコードを必要とすることがある。IDは比較的容易に変更できてしまうため、プロキシのチェック機能など強化した外部のCGIから発行される文字列を投票文に添付することで有効票と認められる。
- 参加者が多い場合は予選を行うことがあるが、選手ごとに勝ち上がる試合数が異なるシード制は設けていない(時に議論されるが、基本的に実行されていない。ただし、予選を2度行い、一次予選上位者は二次予選免除になるものもある)。トーナメントと同様に人気投票形式で行われることが多いが、詳細なシステムはトーナメント毎に異なる。
歴史
葉鍵板最萌トーナメント
- 最初に開催された最萌トーナメントとされるのが、2ちゃんねるのleaf,key掲示板(葉鍵板)で行われた葉鍵板最萌トーナメントである。2ちゃんねるにおける最初のトーナメント企画と言われることもあるが、類似のトーナメント企画が既に2ちゃんねるの特撮!板で行われていた(後述)。
- 2001年10月14日に超俺車と名乗る人物が立てた「葉鍵板 最萌トーナメント開催ッッ!!!」というスレッドをきっかけに(なおこのスレッドは『グラップラー刃牙』の最大トーナメントが影響を与えていると思われる)ちょうどこの頃IDが導入され、これを利用した人気投票をやろうという機運が重なって有志たちが人気投票によるトーナメントをネタとして企画した。「一日一試合」「選挙活動自由」「同票は両者勝ち上がり」などの基本的なルールはこの時定まり、同年10月17日に第一試合が開催された。
- 葉鍵板最萌トーナメントにおける最初の試合(当然ながらすべての最萌トーナメントにおける最初の試合でもある)神岸あかり対川澄舞戦はルールも固まっていない状態で行われ、神岸あかりが勝利した。どちらも人気作品のヒロインであったため、初めての企画ながら参加者も多くそれ以降の弾みがついたとも言える。以後トーナメントという新しいネタの面白さに気づいた住民が加速度的に参加し、SS、AA、自作絵などのトーナメントを彩るネタの投稿数が増加していった。また予想や観戦記などのトーナメント自体をネタとする投稿を行う者も加わり、多面的な面白さを獲得していく事となる。なお川澄舞のファンには敗れた後に最萌の存在を知った者も多く、支援や投票出来なかったことを悔しがり親友キャラである倉田佐祐理支援に回った者も多かった(このキャラは準優勝している)。事実上の初参加ともなった4年後の第二回最萌では、前回優勝の柏木千鶴を破って上位進出をはたしている。
- これは予想以上の盛り上がりを見せ、色々な問題を抱えながらも徐々に投票形式や集計方法などが整備されながら翌2002年3月9日に決勝戦が行われ、イベントは完遂された。
- 以下にトーナメント発生から完結までの流れを示す。
- 2001年
- 基本ルール策定(一対一、一日一試合、投票時間、投票方式(自由記名))。この時点では投票時間は住人が集まりやすいテレホーダイの開始時刻(23:00)をスタート時間、投票終了時間を22:00としていた。また、投票対象の記名方法は自由であった。このため必然的に手集計となり、規模の拡大によって集計時間の増大が後々問題となった。
- 2002年
- 決勝へエントリーしたキャラは神岸あかり、来栖川綾香、セリオ(3名とも『To Heart』)、柏木千鶴(『痕』)、川名みさき(『ONE ~輝く季節へ~』)、倉田佐祐理、水瀬秋子(2名とも『Kanon』)、緒方理奈(『WHITE ALBUM』)の8名。
- 3月9日 - 決勝戦。葉鍵板最萌トーナメント終了。
- 2001年
トーナメントの拡大
葉鍵板最萌トーナメントを受けて2ちゃんねるのギャルゲーム板でそれを真似たギャルゲ板最萌トーナメントが開催されたのを皮切りに、トーナメント表と掲示板さえあれば比較的簡単に開催できる手軽さもあり2ちゃんねるのその他の板や外部の掲示板でも類似のイベントが開催されるようになった。
ブームの終わり
- 2002年に2ちゃんねる全板人気トーナメントが開催され、それまでトーナメントを知らなかった掲示板にも知れ渡ったことでトーナメントは最盛期を迎える。ゲームや漫画・アニメはもとよりアスキーアート、鉄道、バス、国会議員、埼玉県(県内の自治体を投票先としたトーナメント)、国家、プロ野球選手、将棋棋士、声優など様々なものを対象にトーナメントが開催された。最盛期には、毎日複数のトーナメントが2chや関連掲示板で開催されていた。
- しかし、トーナメントのあまりの頻発に次第に飽きられるようになる。熱心な参加者にとっても、トーナメントに時間を取られることでの疲弊は避けられなかった。特に最萌トーナメントの発祥地であるleaf,key掲示板では関連するトーナメントが大量に行われたため、トーナメントへの敵意さえ高まった。もともと反発はあったのだが、成功によって抑えつけられていた不満がブームの衰えで一気に表面化したのである。2003年に開かれた「トーナメント優勝者最萌トーナメント」を契機に、トーナメントブームは完全に終わったと思われた。
定着と将来
- かつてのように毎日トーナメントが開催される状況ではなくなったが、トーナメントが無くなったわけではない。アニメのトーナメントは毎年恒例の行事として定着しつつあり、開催のたび改良が図られている。アニメ以外でも週刊少年ジャンプトーナメント(のち全漫画を対象としたものに発展的解消)など、複数回開催の例がある。逆にブームの震源地であったleaf,key掲示板ではトーナメントへの強い拒否反応さえあり、その一方で葉鍵板最萌トーナメントを理想化するあまり長年に渡り第二回葉鍵板最萌トーナメントは開催されなかった。このことは、leaf,key掲示板の強い影響下にあったトーナメントに独自の発展を促すことにも繋がった。
- 2005年には第2回の全板人気トーナメントが開催され、一応の成功を収めた。年月現在、かつての大ブームほどではないが常になにがしかのトーナメントが開催されている。
- ちなみに複数回開催のトーナメントにおいて、優勝経験者が再度優勝したことはまだ一度もない。
第二回葉鍵板最萌トーナメント
- 2度目はないだろうと思われていた葉鍵板最萌トーナメントであったが、前回から4年経った2005年11月26日より第二回葉鍵板最萌トーナメントが開催された。
- 前回の参加者の間でオリンピックのように4年後に開催しようといった意見が多かった事、また終了後に発表された作品にも参加する機会を設けたいという意見で開催が決まったが反対の声も大きく、前回の運営メンバーが全く参加しない状況での開催とあって不安視する声も多かった。
- 本選参加キャラは前回の倍の256人となったが前回と同様の1日1戦方式で行ったため日程も倍になり、一回戦を終了させるだけで前回とほぼ同じ期間を費やした。
- お婆さんキャラや人工知能搭載の車キャラ、選択肢次第で存在の有無が決まるキャラなど前回に比べて多様なキャラがエントリーされている。
- 10年近く前の作品を含む新旧の作品からキャラをエントリーさせたため作品間の人気の格差が前回に比べ広がり、ほとんど勝てないまま敗退した作品もあったが一方でそれまでほとんど認知されなかった作品のキャラが大きく紹介され、脚光を浴びた事もあった。
- 主な出来事
- 2005年
- 2006年
- 3月12日 - コード発行に関するトラブルでコード発行所を変更する事態となった。
- 5月16日 - 投票結果の審議を巡りその提案方法や審議手段、結果に誤りが複数見つかり運営と参加者の間で意見を交わした結果、2日後に審議自体がなかった事として場を収めるという事態となった。
- 7月21日 - 審議により勝敗を覆したがその投票を行った参加者により「あれは外部の人間によびかけて集中的に投票したものだ」という抗議を受け、審議に参加した複数の集計人が辞任する事となった。
- インターネットによる匿名投票という構造上、多重投票に対する懸念は開催当初から提起されていたが対応する手段が無いまま最後まで多重の有無に関する論争を繰り返すこととなった。
- 9月14日 - 決勝トーナメント開始。
- 決勝へエントリーしたキャラは長谷部彩(『こみっくパーティー』)、小牧愛佳(『ToHeart2』)、長森瑞佳、上月澪(2名とも『ONE~輝く季節へ~』)、月宮あゆ、川澄舞(2名とも『Kanon』)、神尾観鈴(『AIR』)、仁科りえ(『CLANNAD』)の8名(なお仁科りえは二次創作によりその存在がクローズアップされたキャラであり、そのようなキャラが準決勝進出を果たしたのはトーナメントならではである)。
- 9月23日 - 決勝戦が行われ、10ヶ月におよぶイベントは終了した。
2ちゃんねる全板人気トーナメント
今まで3度開催されている。2ちゃんねる全板人気トーナメントを参照。
アニメ最萌トーナメント
概要
- アニメ板・アニキャラ総合板を中心として行われるトーナメント。発祥は2002年開催の「アニメ板最萌トーナメント」である。その後「2002アニメベスト10」「秋期&春期アニメ新番組最萌トーナメント(最萌2003年版)」を経て「アニメ最萌トーナメント2004」と至る。2008年月現在、2008年版が最新(開催中)である。
- 人気が集中するキャラクターが特定のアニメに偏っていたりアニメファンの間での争いが常に絶えないながら、昨今のアニメ乱立、及びそれに伴う出場対象キャラクターの大幅な増加も相まって2006年の決勝戦においては投票総数が4000票を越えるなど最大規模のイベントといって過言ではない。但し、このトーナメントの結果がアニメの人気度を表しているのではないし多重などを考慮すると、票数が実際の参加者数とイコールとは言えない面はある(ネガティブな意味だけでなく、ROMと呼ばれる視聴のみの層なども存在する)。
- またこのイベントは単なる勝敗を求めるものではなく、大小様々なアニメの交流会・展示会という要素も含んでいる。というより、基本的に標榜する理念はこれである(葉鍵最萌から受け継いだ伝統に近い)。
- 第1回全板に少し遅れて始まったが、この段階では互いに受けた影響は限定的であった。2008年に両者の開催期間が重なったことで、改めて相互に影響を受けることになった。またこの間にアニメ最萌関連スレがアニメサロンex板として隔離され、全板ではまとまって動きやすくなったため全板参加者に少なからぬインパクトを与えた。
板住人・参加者の反応
- キャラクターごとの支援スレッドが独立する事は少なく、参加する作品のキャラ総合スレが作品全体の選対になるケースが複数見受けられる。これはキャラ個別スレではそのキャラ単体にしか興味がない住人も多いため作品全体の普及を目指す参加者や複数のキャラクターを応援するファンが他のスレッドで宣伝し、最萌そのものが疎まれるなどの事例によって作品全体の応援スレッドに集まっていくという状況が一因にある。また最萌そのものが嫌悪・無視されるイベントになっている所では、過疎傾向が強いキャラクター総合スレッドを間借りという形で運用している部分もある(新しいアニメと新しいファンが多い所と、通年参加作品で反応度が違うことも)。アニメ板の中でも最萌に対する拒絶反応は決して少なくはなく、「荒らしの祭り」とみなしている風潮も多いため受け入れられているかどうかは微妙な部分もあるのが実情である。
- 近年においては海外からの参加者が増加しており投票が特定のアニメに集中するように見えるため一部参加者から不満の声も聞かれるが、元々国外では視聴できる作品数が国内より少ない事に留意すべきである。
- 更に国内でも視聴環境は様々である。近年は衛星放送・CATVやブロードバンド配信など種々の放送形態やレンタルビデオ・DVDチェーン店舗が普及した事により、一定以上の環境・資金がある人間とそれ以外では全く視聴可能な作品数が違うケースもある。また日本語を学び海外から参加する者や海外在住の日本人などが何らかの手段(海外版DVDなど合法的なもの)で作品を視聴しているケースもある。逆に日本国内であっても地域限定(関東U局などローカルな地域放送)の放送作品が近年とみに増えている状況を考えると、日本国内の視聴環境を「海外」と単純に二分して区別するのは難しいという問題もある。
- また最近の深夜アニメが上位多数を占める状況には参加層の視聴傾向によるところも大きい。参加層は(支援物資内容などから推定できるコア参加層は特に)10代後半~30代付近の学生や有職者が多いと見られ「子供向けは見ない」「朝夕(番組)は(視聴を)切った(または見ていない)」「深夜は見るが朝まで起きている気はない」など、朝夕番組に対する敬遠もある。一方で朝アニメや所謂子供向けを根強く支持するさらにディープな層も存在して支援に活躍する事があるが、比率は少なくなっている。
- 上述のように「地方では見られない」「朝番組は見(る時間が)ない」などの様々な心理的傾向や視聴パターンも投票傾向に影響するため、「視聴できる」ことと「する」ことの違いなど複雑な側面を考えるべきである。
- 過去の結果を見ると、原作付き有名作品(特に2ch内部におけるそれ)が強い傾向にあり作品の出自に大きく依存する側面がある。初期は朝と夕方のアニメ優勢で近年は深夜放送の番組が上位に位置しているが、2年連続ベスト8となった夕方番組もあり必ずしも深夜優位とは言えない。放送範囲についても関東限定などハンディがあるとされたU局作品も上位にいる。さらにベスト8、ベスト16など位置や組み合わせによっても変化が見られるため留意が必要である。アニメでブレイクしたマイナー原作作品と、最初から一般にも知名度があると推定される作品では条件が違う面もあり大変複雑な問題である。
優勝キャラクター・準優勝キャラクター
開催年度 | イベント名 | 優勝 | 準優勝 |
---|---|---|---|
2002年 | アニメ板最萌トーナメント | 木之本桜(カードキャプターさくら) | 春日歩(大阪)(あずまんが大王) |
2003年 | 秋期&春期アニメ新番組最萌トーナメント | 原田梨紅(D・N・ANGEL) | 原素子(ガンパレード・マーチ) |
2004年 | アニメ最萌トーナメント2004(仮) | ローズマリー・アップルフィールド(明日のナージャ) | ナージャ・アップルフィールド(明日のナージャ) |
2005年 | アニメ最萌トーナメント2005 | 高町なのは(魔法少女リリカルなのは) | 蒼星石(ローゼンメイデン) |
2006年 | アニメ最萌トーナメント2006 | 翠星石(ローゼンメイデン・トロイメント) | フェイト・テスタロッサ(魔法少女リリカルなのはA's) |
2006年裏 | アニメ裏最萌トーナメント2006 | レイン(ふしぎ星の☆ふたご姫Gyu!) | 朝比奈みくる(涼宮ハルヒの憂鬱) |
2007年 | アニメ最萌トーナメント2007 | 古手梨花(ひぐらしのなく頃に) | 三千院ナギ(ハヤテのごとく!) |
用語など
あ行
- アンチ票【あんちひょう】
- ある特定の候補者を敵視して、対立候補に投じられる票のこと。戦略投票の一種。対立候補に票を集中させることにより、ある程度の人気差はひっくり返ってしまう。最萌ではこのような番狂わせが生まれやすいが単純な人気投票ではなくトーナメント形式なのが大きな原因であり、また醍醐味でもある。そのため単純な人気の優劣だけでなく、いかに敵を作らないかも勝ち抜くためには重要になる。ただしこういった戦略投票は工作を概念化して容認する「なんでもありの祭り」が前提の最萌では受け入れられ易いが、他の最萌では嫌悪される事もある。最萌および全板トーナメントにおける戦略投票については、神輿も参照。
- 裏葉る【うらはる】
- 本戦出場者にもかかわらず、その試合に同じ作品の有力なキャラクターがいたために得票数が極端に少なくなってしまう現象。アニメ最萌トーナメント2005で本戦1回戦に『AIR』の裏葉が出場した際、同じ試合に同じくAIRの遠野美凪も出場したために裏葉の得票数がわずか18票(美凪は243票)であった事に由来する。この他の例としては、黒井ななこ610票・柊いのり94票(『らき☆すた』、アニメ最萌トーナメント2007・本戦1回戦)など。同一作品の2者の票差のみが関係し、残りの1者の票数は無関係な点で「モバる」とは異なる。
- 園芸タン【えんげいたん】
- 全板トーナメントの予選で、シャア専用板が対戦相手の園芸板を擬人化したAA(擬人化萌え)キャラクター。シャア専用板は板を挙げて園芸板支援にまわり、敗北しつつも園芸板を勝ち上がらせている。
- エントリー【えんとりー】
- 候補者の参加登録。全板など、ある程度の数に収まる場合は参加資格のある全てが自動的に登録されるものもある。しかしアニメや漫画など、参加資格者が非常に多数に上る場合は事前にエントリーで候補者を募集し事実上の足切りを行う(参加資格があっても、エントリーに漏れればそれまで)場合が多い。主催者が一方的にエントリーする場合(初期に多かった)、期間を決めてエントリーを公募する場合、両方行う場合、予選がエントリーを兼ねる場合などがある。最近のものになるにつれ条件が厳しくなる傾向になり、投票同様コード発行制にしてエントリー数を制限するトーナメントもある。
か行
- カーレース【かーれーす】
- 全板トーナメントの葉鍵板の試合で開始(0時)ちょうどに乗り物系のAA(アスキーアート)を使った一斉投票。いわゆるラシ行為ではあるが元々は葉鍵板最萌トーナメントで0時ちょうどに車AAを使って投票していたコテハンに追随して広まったもので、Leaf,key板がこれを行い他板の注目を浴びた。また全板全体の投票でもそれまで投票先の板名しか書かれてなかったのが、この試合以降萌え文やAAを添えて投票が入るようになった。決勝トーナメント以降はMS(モビルスーツ)や騎馬などのAAを使った葉鍵板以外の他板住人の参加が増加した。
- 狩り【かり】
- 葉鍵板最萌トーナメントで優勝した『痕』に登場する柏木4姉妹の長女・柏木千鶴による「年増、貧乳、偽善者、殺人料理人」というNGワード発言をしたスレ住人を攻撃するAAを指す、一種の言葉遊び。原作の人間を襲うというシーンが元になっており葉鍵板最萌トーナメントのスレ住民とのやり取りの中でそのスタイルを確立し、決勝戦では700名を越える犠牲者を出している。全板人気トーナメントにおいては葉鍵板の試合だけでなく、雑談スレや他板の選対スレにまで出張している。
- 観戦記【かんせんき】
- 試合観戦記。試合終了後、その試合についての概要、経過などをしるした感想文。なるべく客観的に恣意的なものがないように書くのが原則で、比重としては負けた方を持ち上げる方が好ましいとされる。
- 企画【きかく】
- 自板を他板に対してアピールするために行われた行為。囲碁・将棋板の百人組手や特撮板の『ウルトラマンコスモス』主役降板騒動の追悼企画など、各板に合わせた企画が試合ごとに多彩に行われていた。中には本気で勝つ気があるのか怪しい、厨房板の無効票祭り(投票7千票のうち実に9割が無効票)やLeaf,key板の数々のLeaf,key板住人でなければ到底理解出来ないような内輪ネタ企画も存在していた(が、それがかえって他板の評判を生んだ結果にもなった)。
- 偽票【ぎひょう】
- にせひょうとも。途中集計されることを見越して、わざと投じられる無効票のこと。集計を見た者を混乱させたり、標的の支持者をぬか喜びさせるなどといった荒らし目的で行われる。アニメ最萌トーナメントでは、専用のスクリプトで大量の偽票を投じられた。この方法を悪用して、偽票の標的にされたキャラのライバルに怒りの矛先を向けさせるなどの手の込んだ手口も存在する。厨房板のように、始めから偽票を宣言して大規模に行った例もある。
- 詳しい詳細【くわしいしょうさい】
- トーナメントのスレッドや表のテンプレに使われる言葉。本来文法上は重複表現で間違っているのだが、ネタとしてトーナメントには欠かせない言葉となり広まった。初出は、葉鍵板最萌トーナメントの5スレ目。
- 工作員【こうさくいん】
- 最萌トーナメントに現れる荒らしの一種。対戦相手(敗退済みも含む)同士の同盟や選挙協力を妨害したり、対立を煽ったり、士気を下げるものを特に指す。また、第三者を装って自分の陣営に味方するよう働きかけるのも該当すると思われる。単なる意見か工作員なのか見分けの付きにくい書き込みも少なくないため、互いの疑心暗鬼を生む効果もある。主に自分の陣営を有利にするため行う場合と、全くの愉快犯の場合があると思われる。また、トーナメント自体に対する妨害やトーナメントを快く思わないファンや板住民などが意図的に(本来は味方のはずの)選対の足を引っ張るケースもある。2ちゃんねる全板人気トーナメントでは特に盛んに行われた。あまりにあからさまなものは「珍作員」と呼ばれ笑いものとなる。
- 工場【こうじょう】
- 第2回以降の全板で見られる、多重投票の隠語。流れ作業で大規模な多重投票を行っているという意味合いがある。多重を実行していることを「工場勤務」と呼んだ。小規模な多重だと「家内制手工業」。他に多重を指す用語として「蕎麦打ち」など。
- コード【こーど】
- 多重投票を抑えるために、外部CGIを通して発行される文字列。この文字列を投票に書き込むことにより、有効票として認識される。多重投票を防ぐためクッキーを取得して端末を判別し、同一端末からの再発行を阻止したりCGI接続後、一定時間ののち再接続しなければコードが発行されないようにしたりと改良が重ねられている。しかしいずれも抜け道はあり、また規制をあまりに厳しくすれば不正と無関係の参加者を巻き込むこととなるため、不正投票する側とのいたちごっこが続いている。但しインターネットを利用する限り、多重投票を無くす事は出来ないという事は留意すべきである。最初に導入されたのは葉鍵板最萌トーナメントの途中からである。
さ行
- 最強の仮面ライダーは誰だッ?!【さいきょうのかめんらいだーはだれだ】
- 2ちゃんねる特撮板で2001年8月30日から行われた投票企画で、2ちゃんねるにおける記録が残る中では最古の投票式トーナメントと言われる。葉鍵最萌と同じく『グラップラー刃牙』の最大トーナメントを参考にした企画であるが、トーナメントの試合形式で行われる投票という以外は以降に行われた最萌とはかなり異なっている。なお優勝は『仮面ライダーBLACK RX』である。
- 最燃男トーナメント【さいもえおとことーなめんと】
- 文字通り最萌トーナメントの男版でルールは最萌に準拠しており、最萌と区別する意味でこの名前になっている。なお近年は「男に萌えても構わないだろう」という観点からか、両方の意味を掛けて「さいもえ」とかな表記される傾向にある。最初に開催されたのは最萌の元祖である葉鍵板で、1ヶ月遅れて始まった。最萌に比べてネタ要素が強く最萌では振るわなかった作品のキャラクターが上位に勝ち上がる事もあったが、春原陽平という『CLANNAD』に登場する主人公の友人キャラと『AIR』の主人公・国崎往人との対戦では204対3というこの規模の投票としては(これだけの票数が入れば、負けた方もある程度の同情票は入る)きわめて一方的な試合結果となった。これは当時CLANNADが発表間もなく、キャラの個性が掴めていなかった為である。実際、発売後は葉鍵板でも屈指のネタ要素の強い人気キャラとなり4年後に行われた第2回最燃では国崎と再び対戦となり、見事にリベンジを果たしている。
- 雑談スレ【ざつだんすれ】
- そのトーナメントに関する雑談をするために立てられるスレ。トーナメントによっては、終了後も残ることが多い。アニメ最萌は毎年恒例行事なのでスレは通年営業。工作の巣になっていることが多く、特にアニメ最萌では工作自由を謳っている。他スレへの介入は咎められているものの、結局誰かがちょっかいを出すことが多い。全板では通称「東スポ」と呼ばれていたが、IDの無い難民板に立てられたものは「ゲンダイ」と呼ばれている。アニメ最萌では通称「騙るスレ」。
- JSA【ジェットストリームアタック】
- シャア専用板が全板トーナメントの予選敗北後に始めた、葉鍵板の#カーレースに触発されて始めた企画。『機動戦士ガンダム』における同名のMSの攻撃方法を元ネタにした、0時半過ぎに3体のMSのAA(アスキーアート)で投票するいわゆるラシ行為の一種。後にトーナメントの途中で一旦幕を引いたが、翌日以降からはJSAZ(ジェットストリームアタックゼット)やAA人気トーナメントにおいてはアッガイのAAを使ったJSA(ジェットストリームアッガイ)と呼ばれる同様の別企画を行っている。
- 自作絵【じさくえ】
- 候補者支援のために、新たに絵を描き下ろすこと。自作絵見たさの参加者も多い。もっとも一部の例外を除き、二次創作絵に分類される。ジャンルや参加層によっては「自炊」「自炊絵」と呼称される事もある(主に漫画・ゲーム系最萌の一部に見られる)。
- 集計人【しゅうけいにん】
- 投票終了後に獲得した得票数を集計する人。トーナメントでは投票する際にその日投票の対象となっている板に様々な名称(キーワード)を使って投票しているので、集計人の間でキーワードのすりあわせを行う。すり合わせ前の得票数(仮0と呼ばれる)からキーワードのすりあわせを行った後の結果(仮2とよばれる)の票数が集計人全員で一致した段階で結果が確定となる。キーワードの選択により他の参加者から非難されることも多く(接戦になった場合に多い)、そのせいで集計人をやめた者も少なくない。但し最近のトーナメントでは弊害を避けるため、事前にキーワードを定めておいてすり合わせを不要とする方式を取っているため恣意的なキーワード選択は出来なくなっている。
- ステルス
- 試合中候補者が叩きの対象にならないよう、隠密行動を取ってうまくやり過ごすこと。隠れすぎて存在感のないまま落ちてしまわないよう、気をつけなければならない。
- 偽票を投じた後、同じIDで真票を投票すること。集計ツールの仕様上、正しいコードが明らかになるまでは偽票が有効と見なされて集計されるが最終的には後者が有効票となる。このため、ステルスと呼ばれる。この方法を用いる事で投票者が投じたい投票先を途中集計から隠す事が出来るので、こう呼ばれる事もある。
- 選対スレ【せんたいすれ】
- トーナメントに出場したキャラや板を応援する支援本部でキャラクターならそのキャラスレッドが使われ、板ならそれぞれの板に全板トーナメント用のスレが建てられる。工作員や荒らしの書き込みが多い場合もあり、実際の試合に向けた議論は避難所となる外部掲示板やチャットやmixiなどで行なわれたりもする。板住人に対する宣伝告知や住人同士の雑談スレになる場合もある。アニメやゲ-ムのキャラスレを選対スレにする場合、トーナメントに関心のないスレッド住人との対立が問題化することがある。全板では選対スレは管理者容認とされたが、反発する住民に荒らされたりモリタポを使える板ではそれを利用して強引にスレッドストップを掛けられてしまった板もあった。
- 全体支援【ぜんたいしえん】
- キャラクターや作品などの個別支援ではなくそのトーナメントに参加した全てのキャラクターやトーナメント自体、あるいは一定以上の上位者などを総合的に応援した支援のこと。
- 例としては葉鍵最萌での選手紹介Flashやアニメ最萌での開幕支援MAD、ベスト8・32決定後の選手入場紹介などである(選手紹介やEDネタには、『グラップラー刃牙』の地上最大のトーナメント編が元ネタとして影響しているものが複数ある)。他にも、第二回漫画最萌の参加者画像で作られた優勝者モザイク画や埼玉県最萌の決勝Flashのように全体支援と最萌を振り返るメモリアルのようなものを兼ねた支援も存在する。これらトーナメント全体の節目を飾る支援物資は数多く存在し、最萌の意義である「同好の志による参加者・作品交流や展示」の集大成という意味で有意義な支援の一つであると言えよう。
た行
- 多重【たじゅう】
- 多重投票の略語であり、一人で複数票を投じること。投票の意味が無くなるため、殆どのトーナメントで違反である。初期のトーナメントで横行したことから、コードによる多重抑制が導入された。しかし基本的に匿名掲示板での投票であるため、取得できる情報に限度があり多重を完全に防ぐことは難しい。また、コードの裏をかく手法とのいたちごっことなっている。特に第2回全板では「工場」と称して公然と多重を行う者も現れ、多重の横行に拍車を掛けている。また、複数のPCや携帯電話を使った多重は事実上野放し状態である。一部のトーナメントでは、意図的に多重を容認したものもあった。
- 超俺車【ちょうおれぐるま】
- もともとはLeaf,key板のコテハンで、彼が最初に最萌トーナメントのスレを立てた人間である(ただしいわゆる立て逃げであった)。
- 党【とう】
- アニメ最萌など最萌系トーナメントに見られる概念で、投票理由となる「萌え」を基準として作品やキャラを越えたいわば超党派的な集団を結成すること。現実における政党というよりは秘密結社などに類するものである。全板で言えば似たジャンル同士の同盟関係(アニメ系や漫画系など)に近い要素はあるが、最萌の特性である「個人の萌えを重視・尊重」という傾向から基本的には個人が好きなように応援をしてよいという面が強い(おっぱい党ラシでおっぱい党「貧乳派」「巨乳派」など個別の表記を行った投票が入り乱れるなど)。
- 初期の頃は最萌の雑談スレにおけるネタの面が強かったが2005年アニメ最萌においておっぱい党が外部選対を設け、ラシ企画や支援物資からのピックアップ紹介を行った頃から盛り上がり始める。そのまま独自のラシAAなども製作され具体的に「党」の概念が広まっていき、「ドリル党」などが支援MAD動画やラシ企画を立ち上げ「百合同盟」など数多くの党派が発生する事となる。その後はアニメ最萌以外(漫画最萌など)にも広まり、銀髪党などが生まれた。
- 個人がフェティシズム的に好きな特定要素を支援するため、所謂濃い人間が様々な企画を行うなど盛り上がりに一役買う事もある。弱点は個対個の勝手気ままな行動が基盤であるが故の結束力・集約力の低さである(特定の人気キャラ敗退などで参加者が減退していく、上述のラシ投票先の不統一等)
- 同盟【どうめい】
- 主に全板で、選挙協力のために複数の板が手を結ぶこと。三国志・戦国時代板、少年漫画板、ボクシング板の「三国同盟」が最初とされる。多くの板にとって単独での勝ち抜けは困難であるため、あっという間に普及した。「三国同盟」に限らず、ジャンルの異なる板同士の同盟や時には普段は反目し合う板同士の同盟も見られた。トーナメントの特性上、いつかは破綻する(互いに勝ち続ければ必ず直接対決する)運命にあるため善後策に苦慮する光景が各所で見られた。また直接対決以外でも、予選で複数の板と同盟を結んだものの本選抽選で同盟を結んだ板同士の対戦が組まれてしまい、どちらを支援するかが問われる事態になるなど選対には臨機応変の能力が要求された。
- 途中集計【とちゅうしゅうけい】
- 試合の途中経過を集計すること。集計を見た参加者にデュヴェルジェの法則が露骨に働くため試合に与える影響は大きく、劣勢(次々点以下)と集計されると非常に不利になる。大差の試合だと興を殺ぐことにもなるため、多くのトーナメントで嫌われている。しかし止める手段は何もないため、結局誰かが集計を貼り付けるケースが多い。途中集計を利用して偽票を投じて惑わせたり(「コード」を使うトーナメントの場合、どれが本物のコードかは試合中は主催者しかわからない。そのシステムの盲点を衝いている)、全くデタラメな「途中集計」が貼られるケースも多い。
- トラップ【とらっぷ】
- 最萌などで発生した投票無効化工作の事。投票に使用されるテンプレなどに細工をする一種の詐欺行為。例えばラシ用AAの<<>>枠を「くく」「く<」、AAに紛れ込ませた形であれば「Kく」などにすり替えてラシ参加者に提示するといった手口である(IEや専用ブラウザ上ではwiki上よりも類似して見える)。ラシテンプレが多数に及ぶ場合は企画者のチェックが完全でなかったり、参加者が初心者または罠を警戒していないがため多数の票が無効になる事がある。多重や偽票など他の工作と違う点は、被害者が投票者という第三者の集まりにまで及ぶため事後処理が面倒な点である(コード一致型の単純な偽票などであれば、投票された先の陣営などが2chガイドラインに沿った通報を行うなどの対応が可能)。
- この工作は多くのトーナメントに見られるルールを悪用している。これは投票先が複数ある場合、特定候補の括りをくく、他を<<にする事で「そこを抜いて投票を終えた」事になるという点でこの場合は運営に説明しての再投票で有効化するか誤投票で確定されるという状況になる。しかしこのように第三者の知識や認識の隙に付け込んだ工作方法はある程度の注意により対応が可能である。例えば専用ブラウザのホップアップ等では「く」の形状や文字間の距離が通常と違うため一度テンプレに対して確認作業を行う事は有効な防止策と言える。
- また漣と漸など対象の文字を変更するケースもある。半角表記程度であれば集計人のすり合わせキーワードで拾われる可能性は低くないが、全く関係のない類似しているだけの字の全てを含んでいないためである。こちらは見慣れた文字列であれば流し見でも違和感を感じる人間もいるので急いでいる時や注意力が散漫になっている時、または対象を深く理解していない初心者を狙った罠という性格が強い。ラシの深夜・早朝時や過密スケジュール状況では注意が必要である。ただし、集計ツールに一部のまぎらわしい文字を事前に登録しておき、自動的に表記ミスを有効票とすることも可能となっている。
な行
- 名雪車【なゆきくるま】
- 葉鍵板最萌トーナメントにおいて試合開始と同時に必ず投票していたコテハンで、『Kanon』の登場キャラクター・水瀬名雪に車をつけたAAを使っていた。彼女の登場を予言し的中した書き込みがあって以降、追随する者が増え、次第にカーレースとよばれるイベントとなり後に全板トーナメントの葉鍵板戦では参加する者が(つまり0時ちょうどに書き込みする者が)葉鍵板以外の住人を入れて数百名単位になるほどになった。
- ネタ票【ねたひょう】
- 意図的に愛称や当て字などを用いる投票。トーナメントによって、禁じているところから完全容認までまちまちである。特にleaf,key掲示板で多く見られる。一見すると意味不明なひねった票も多く、集計人の裁量や知識によって有効になるかどうかが全く変わってくる。そのため、僅差の試合ではネタ票の扱いがしばしば問題になる。
は行
- 馬鹿板【ばかいた】
- 全板トーナメントにおいて、あまりの選対スレや投票スレでの行いの馬鹿馬鹿しさからついた尊称。その中でもプロレス、パチスロ、シャア専用(現旧シャア専用)、葉鍵板の4板を馬鹿板四天王と称していた。決勝前日のエキシビジョン試合はこの4板での馬鹿板決定戦となった(勝者はルールでニュース速報+板となった)。
- 葉鍵板【はかぎいた】
- leaf,key掲示板の通称。トーナメントが「葉鍵板最萌トーナメント」という名称で開催されたこともあって、こちらの方が知名度が高い。
- 葉鍵キャラAA紹介一斉投下【はかぎいたきゃらえーえーいっせいとうか】
- 葉鍵板が全板ト-ナメントで行った、葉鍵のゲームのキャラをAAをつけて紹介していく企画。200人以上の紹介を試合開始早々に40人がかりで一斉に投票スレに投下した。葉鍵のゲームをやっていないと説明も分からず極めて内輪向けの企画であったが、他板住人の度肝を抜き好感と票を得るのに成功した。追随して自分の板のキャラAAの紹介を貼り付けた板も出たり、この企画の製作段階でボツになったAAが他板選対スレのマスコットになる事もあった。この時製作されたAAは先に開催された葉鍵板最萌トーナメントに出場した全キャラクターも含まれており、それまでAAが作られることのなかった作品のキャラにもAAが作られることにも繋がった。
- 引き分け【ひきわけ】
- 試合において得票数が同じだった場合、両者とも勝ちあがりとなり次の試合は3者による戦いとなる。決勝戦での引き分けは両者優勝になる場合もある。得票数が僅差の場合の試合は集計、審議で長引いたり揉めることも多くトラブル回避の為にあえて引き分け試合と裁定することもある。最初に引き分けになったのは葉鍵板最萌トーナメントにおける、マルチ対松原葵(ともにToHeart)の試合においてである。
- 二三さん【ふみさん】
- アニメ最萌トーナメントにおいて、23時23分23秒を狙ってレスする(必ず現れるわけではない)『舞-HiME』に登場する姫野二三のAA。このAAが来る前、来た後に「二三さん乙」と挨拶する一種のネタ遊び。
- 他にはレスの間に「ラピスたん」というキーワードを書き込み、そのキャラを模したAAにレスされるというアニメ最萌独特の遊びもある。これらのミニAAに対するレス群に対してはスレが早く進みすぎる・次スレの誘導前にスレが埋まる、試合が終わった後の結果発表・まとめや挨拶・次の試合の全体支援などといったものが流されるという否定意見とガス抜きとして容認または肯定するといった意見があり賛否両論である。
- 補正【ほせい】
- その作品の主人公、またはメインヒロインなど作中最上位の主要人物が有利となったり強化される現象を指す「主人公補正」、ある作品の最後の1人に対する同情票や作品全体のファン・他キャラクターファンの投票意思などが収束する「ラス1補正」、逆に強力なアンチによって実力以上に苦戦を強いられる「アンチ補正」といった物が指摘される。
- 主人公補正には作品自体のファンなどが作品代表としての勝ち抜けを望むなどの内的要因とアニメ本編のキャスト表で最上位付近に扱われたり、関連商品や雑誌の表紙などで大々的に出て作品周辺での認知度が高くなり投票されやすくなるなどの外的要因に分けられる。また、主人公が主人公としての役割を果たしている場合は作中での出番が多くなるため支援素材が多くなるなどのプラス要因もある。逆に出番が少なすぎるという不満感やキャスト表の下位に落とされる、出番が減っていく(男性メイン作品におけるヒロインキャラなど)等、公式の扱いに対する同情という特殊な補正もある(第弐回アニメ男さいもえのシンなど)。
- アンチ補正はアンチ票に近い概念だが、キャラクターに嫌悪を示す人間は作品ファン内部にも存在するケースがある。よってアンチ補正はアンチ票よりも外部影響が大きい点で特殊要素と言える。一例としては、作品の展開によって影響が発生するケースである。バトル物であれば敗北や裏切り、ラブコメであれば告白などの山場での行動を嫌った投票者が票を投じない、または相手に入れると言った行動もアンチ補正と言える。作中で裏切った側と裏切られた側、などの関係であれば裏切った側にアンチ補正が掛かる。ただしこういった補正は敵味方の性質が相対的なガンダム、『銀河英雄伝説』のような作品や悪役にカリスマ的人気がある『ジョジョの奇妙な冒険』のような作品の場合、逆にその行為がプラスとなる場合もある。このように「補正」は正負織り交ぜて種種雑多なものであり、トーナメントが良くも悪くも盛り上がる一因である。
- ボブ【ぼぶ】
- 集計人など主催側が、特定の投票先をひいきしていると揶揄する言葉。いわゆる疑惑の判定のこと。ワールド・ベースボール・クラシックで疑惑の判定を繰り返したボブ・デービッドソンに由来。
ま行
- 神輿【みこし】
- 戦略投票で、特定の候補者を落とすために祭り上げる候補者のこと。基本的にその場限りの使い捨てである。アンチ票に限らず、自分の応援する候補者を有利にするためも使われる。例えば自分の応援する候補者が次に当たる相手の組でわざと弱い候補を神輿にして票を集中させ、強敵を落とす。すると、相手はもともと弱い上に自分の応援する候補者との対戦では自分たちが入れた票をそっくり失うため楽に勝てるというものである(ただしあまりに弱すぎても逆転は難しいので、自分の応援する候補者より弱いが中程度の人気はあると判断された候補者が神輿に担がれやすい)。この戦術により、一般に人気のある候補者はかえって狙い撃ちされる傾向が強い。しかしトーナメント参加者がこぞってこの手を使った結果、有力な候補者が全て落ちてしまい結果として多くの参加者が去ってしまった例もあり、弊害は大きい(他には多重と組み合わせ有力候補を敗退させた後に相手が多重をしたと風評を流して工作を行うなど、悪辣な手口の温床となるケースもある)。
- 無効試合【むこうじあい】
- ルールでは12時間以上サーバーと繋がらない状態になった場合、その日の試合を無効とし後日延期にすることがある。国会議員最萌トーナメントにおいてはその日の試合開始から12時間以上立ってからサーバーのデータが消滅するという事態が発生し結果データが復旧しなかった為に消滅時点での正確な投票数が把握出来なくなったため、その日の試合が無効になった。また最萌系トーナメントでは投票が最も伸びる後半22時から終盤までにサーバー停止が起き、逆転の可能性があったと物議を醸す試合になるケースもある(ただし、この場合はルール的に有効試合である)。
- 無効票【むこうひょう】
- 投票しても有効にならないパターンとしては
- コード(必須の場合)を入れ忘れた、もしくは他の投票者の物と重なった。
- 決められた括り方をしていなかった。
- IDが他の投票者と重なった。
- などがある。他にあまりに不自然に片方に投票が続いた場合、運営人による審議により無効と判断される場合もある。わざと有効でないコードを取って投票をしても試合終了後まではそれが有効になるかどうか、判らないのでアナウンス効果を狙って無効票を入れる場合もある。
- また全板トーナメントの厨房板は2回戦の三戦板戦でひたすら有効コードも取らずに投票数約8000票の9割を無効票で占める行為を実行し、投票スレを14スレも使うイベントとなった。実際の所、これはれっきとしたAA連投荒らし行為であり試合中は厨房板の選対スレは機能しなくなるなど(厨房板はコピペ荒らしが黙認されており、選対も何度も潰されている)大荒れに荒れた試合であった。
- しかし無効票祭りと割り切り無関係のスレへの被害は最小限に抑えられたこと、方向性はともかく一つのことを貫き通したことなどから試合後の評判は厨房板に対して観戦者から賞賛の声が上がるほどであった。なお、試合は720(7929)-1110(1200)票で三戦板が勝利している(()内の数字は無効票を合わせた数字)。もっとも、1回戦では厨房板は比較的穏当に勝っていた。しかし、2回戦では強豪扱いされた三戦板相手に勝てるはずがないと安心して無効票祭りを起こしたということである。
- ただし、この試合は厨房板が敗れたため洒落で済んだとも言える。厨房板の有効投票数720は他の試合の票数と比べても少なくは無く、1回戦の576票から上積みしている(逆に三戦板は、激戦となった1回戦で2251票を得たが大幅に減らしている)。展開次第では実際に勝利していた可能性もあったのである。
- 萌えキャラ化【もえきゃらか】
- 主にコテハンや運営などを対象に行われる行為。葉鍵板最萌トーナメントにおいて、試合前に告知文を書き込んでいたコテハンが最初の対象である。他にも各板独自に選対スレ用マスコットAAが作られたりしている。全板トーナメントの対戦相手の板に萌えたシャア専用板もあれば、とあるPINKBBS系の板では他板の選対コテに萌えたあげくその選対コテの支援投票要請に対する代償として18歳未満お断りの小説を出したこともある。
- 萌え文【もえぶん】
- 投票先になぜ萌えるのかを書いた文章。多重を防ぐ意味もあり、萌え文推奨のトーナメントが多い。萌え文がないと、無効票にされることもあった。いかに己の萌えを表現するかが、投票そのものよりも時に重要視される。全板ではコメント等の記入が推奨されたものの拘束力は弱く、第2回全板以降は努力事項となった。あるトーナメントで、萌え文を根拠に不条理な無効判定をされた事例があってからは他のトーナメントでも判定基準には使わずに留める傾向が強い。
- モバる【もばる】
- 三つ巴の試合で2者が激戦を繰り広げる中、もう一方が取り残されてしまう事。第三回全板人気トーナメント本戦一回戦で前回優勝のニュー速VIPと他板の支援を受けたシベリア超速報板が激突、もう一つの出場板モバイルは試合早々から取り残されてしまい結果シベリア超速報の3767票、ニュー速VIPの2927票に対しモバイルは340票と大敗してしまった事が由来。3者全ての票が関係する点で裏葉るとは異なる。
や・ら・わ行
- 予想屋【よそうや】
- 一部のトーナメントでは、対戦前に予想一覧が発表されることがある。戦略投票に影響してくるため特に上位陣は途中集計ほどではないが、予想によるデュヴェルジェの法則の影響をまともに受けやすい。ただし、比較的小規模なトーナメントでは勝ち抜け圏外と予想された陣営が奮起し勝ち抜けるケースも多いため、その影響力は限定的なものに留まる。また予選では一組当たりの候補者数が膨大になることが多く、勝ち抜け枠も多くなるのでデュヴェルジェの法則が働きにくい。上位陣にとっては予想によるアナウンスメント効果はバンドワゴン効果(勝ち抜けと見られた候補にさらに票が集まる現象)よりもアンダードッグ効果(負け犬効果。当選まであと一歩の候補に同情票が集まる)が現れる傾向が強く、ありがた迷惑な存在でもある。工作の一環として、意図的に偏った予想をする予想屋も少なくないと見られる。
- ラシ【らし】
- 時間を指定し、一斉に投票すること。AA(アスキーアート)・投票先が特定されていることが多い。パチスロ用語の「ラッシュ」に由来する。パチスロ板が使い始めた用語だが、やがて一斉投票の総称となった。一時的に投票所の雰囲気を支配でき、また追従者も期待できることから全板など大規模なトーナメントでは必ずといっていいほど見られる。特定の投票先への支援として行うのが普通だが萌える対象の宣伝または誇示として行い、また両者を兼ねていることも多い。不特定多数をラシに参加させるため、敢えて投票先を特定しなかったり多彩なAAを用意するなどの工夫も見られた。
- Leaf,key掲示板【りーふ,きーけいじばん】
- 2ちゃんねるで最初に最萌トーナメントを開催した板であり、通称「葉鍵板」。Leafとkeyというエロゲーのブランド名から取られている。最萌トーナメントが成功した背景にはこの板が同じ趣味的嗜好な傾向を持った人間が集まりやすい場所で、当時両ブランドの新しい情報が少なく他に話題がなかったからとされている。「「葉鍵板」最萌トーナメント」というタイトルで開催されたこともあって2次元系のジャンルに詳しくない人間からすれば一見すれば何のジャンルの板か分からない為、全板トーナメント開催当初は葉書板と間違われることも多かった。
- リングアナ【りんぐあな】
- 葉鍵板最萌トーナメントにおいて、試合前に次の試合のキャラクターについて口上を投下していたコテハンで最萌トーナメントにおいて最初に萌えキャラ化されている。またグラップラー刃牙をネタにすることが多く、3回戦(ベスト32)が始まる前に投下した全選手入場ネタは2ちゃんねるのガイドライン板の同スレによれば、2ちゃんねるで最初に投下された全選手入場ネタである。
- 劣勢工作【れっせいこうさく】
- 自分の応援する投票先が、劣勢であるとの発言を揶揄する言葉。アナウンスメント効果の「負け犬効果」を狙った工作だろう、という意味。
英数
- SS【ショートシナリオ】
- Short Scenarioの略。萌える人物を応援するための寸劇を書き込むこと。本人たちにしゃべらせる形を取るため、元となる作品のキャラクター・役柄などを把握しておく必要がある。原作が存在しない、あるいは作品という形ではない(全板など)場合は難易度が上がる。トーナメントによって向き不向きが激しい。ちなみに「ショートショート」ではない。
- 2×n乗【にかけるえぬじょう】
トーナメントの参加人数は2の乗数(4、16、32、64、128・・・)となるように設定される場合が多い。これは最萌トーナメントの試合を基本的に1対1のタイマン勝負で決着をつけることとしているからで、不公平感の出るシード制は導入されない。場合によってはこの数字になった時点でエントリーを締め切ることもあった。トーナメントによっては1試合3選手出場としたり、予選を設けて決勝トーナメントの人数がこの数字になるように調整している。
「最萌」と「人気」
leaf,key掲示板では「人気トーナメント」は自らの「最萌トーナメント」と比較して、否定的色合いで使われる傾向にある。これはトーナメントが最萌を名乗っていても、「それは人気トーナメントだ」と批判する用法で使う。
ただし、第1回2ちゃんねる全板人気トーナメント中にはこうした用法はさほど見られなかった。2003年ころから、全板系のトーナメントへの批判として頻繁に用いられるようになった。このような批判が挙がった背景には、
- トーナメントが普及するにつれ、leaf,key掲示板の流儀との齟齬(キャラへの萌えを語る場としてではなく、投票のみを重視しトーナメント自体をネタとして捉えない事)が目立つようになったこと。
- トーナメントが好評なうちは目立たなかった欠点が、その衰退と共に非難されやすくなったこと。また、好評なうちは不満を抱きつつも沈黙していた者も批判に加わったこと。
- leaf,key掲示板の側にも、批判するより先に自分のやり方を見せつけるという積極性が失われたこと。
- 勝利よりも「萌える」対象への支援を目的とする立場からは、勝利のために「萌え」の枠から明らかに外れた同盟(選挙協力)を進めるやり方に反発が上がったこと。
などがあると思われる。勝利のために自分が心から支持するとは限らない相手を支援することは、現実の選挙に近い行動である(現実の選挙でも、理想論としてはふさわしくないのだが)。そうした生臭さへの反発もあると思われる。ただし、葉鍵板最萌でも実際には見られた行動であることは付記しておく。
問題点
- トーナメントごとに規模は違うが大きな規模の最萌になると1日にスレッドを大量に消費するほどになり、元祖である葉鍵板の最萌でも半年で関連スレを合わせれば200スレ以上のスレッドが立っていて決勝戦は試合だけで8スレ、最後の投票スレは15分と立たずにスレッドを消費した。
- この為サーバーに負担がかかり、トーナメント以外の書き込みをしようとした者がトーナメントが原因で書き込みするのが難しくなることやトーナメントが理由による住人同士のトラブルをトーナメントに関係の無いスレッドに持ち込む事が多く、反発を招いていた。
- 2ちゃんねる全板人気トーナメントではさらに規模が拡大、数百人規模による一斉投票(ラシ行為)も行なわれるようになったため運営でも問題となり実況系のサーバーに投票専門の投票所板が作られ、2ちゃんねるで最萌トーナメントを行なう際は投票板で投票スレッドを立てるのが普通となった。ただし、全年齢向けの板でありアダルト向けの支援画像が直接貼れないというルールがある。
- (第二回葉鍵板最萌トーナンメントは投票板ではなく第1回と同様Leaf,key板で行なわれたが、上記のルールとは無関係である(PINKちゃんねるに移転後だった、また投票数が少ない等))
- 試合に出場するキャラを応援する為に支援と呼ばれる絵や音楽が投票スレッドに投下されることがあるが、ゲームや漫画等で使われた素材をそのまま使用する事も多く(明らかな著作権違反である)問題視されている。
- 匿名を前提とした2ちゃんねるを利用する性質上、荒らしが圧倒的に有利である。またトーナメント自体への妨害を目的とした荒らしも横行し、いくつかのトーナメントでは中止や開催途中での打ち切りに追い込まれている。このため、投票を2ちゃんねる外で行い不正への監視を厳しくしたトーナメントもあるが、トーナメントの規模としては小~中規模に留まっている。
Tips
- 決勝で同票
- 両者優勝とする場合が多い。
- 決勝で0-0
- この場合、両者負けなので優勝者無しが正しい。
- 2002年開催の最萌トーナメント最萌トーナメント決勝戦では両者負けとし、優勝は該当なしになっている(外部リンク参照)。
脚注
関連項目
- 選挙運動 - トーナメントのコンセプトとは裏腹に実態はより多い票を獲得するために選対スレへの挨拶周りを行うなど、実際の選挙と酷似した手法・行為が見られる部分も多い。
外部リンク
- 最萌トーナメントリンク(類似イベントのリンク集)
- 葉鍵板最萌トーナメント
- 2ちゃんねる全板人気トーナメント